HOME > ジオスペースとは

ジオスペースとは

ジオスペースとは、人類の活動域となりつつある、地球の影響が強くおよんでいる宇宙空間を意味しています。
人工衛星を用いた地球周辺の宇宙空間の探査と利用は、1960年代から本格的に始まり、現在では、天気予報の気象衛星、カーナビ等のGPS衛星など、宇宙利用はいつの間にか私達の生活にも深くかかわるようになってきました。私たちの研究分野は、この宇宙時代の幕開けとともに急速に発展した比較的若い学問分野であり、最近ではジオスペース環境の正確な把握と、変動メカニズムの理解が重要な方向性の一つとなりつつあり、特にオーロラや通信障害を引き起こす宇宙嵐(geospace storm)の研究が、巨大宇宙嵐が多発する次期太陽活動極大期に向けて、世界的にも活発化しています。 国際的には、 ILWS(International Living With a Star)計画のもとで、米国のRBSPやカナダのOrbitalsといった衛星計画が2012年頃の打ち上げを目指して進んでいるとともに、国内ではこのILWSの諸計画との連携を視野に入れて、地上観測とデータ解析・モデリング・理論との密接な共同を組み込んだERG衛星計画が立ち上がりつつあります。

こうした世界的なジオスペース環境変動の理解を目指した動きの中で、データ解析・モデリング・シミュレーションの観点からは、ジオスペースにおける変動機 構の記述に鍵となる、地球近傍の宇宙空間(内部磁気圏)の基本モデルの構築が、急務となっています。内部磁気圏は、外部磁気圏からの影響を強く受けるとと もに、地球近傍では電離圏との領域間結合が重要となる領域であり、また粒子ドリフトが本質的に重要で外部磁気圏のグローバルな記述に威力を発揮している電磁流体近似が成り立たないなど、多くの難しい要素を含むため、宇宙嵐に伴う諸現象が発現する領域でありながら、グローバル変動を記述できる数値シミュレーションが未だ実現されていません。すなわち、内部磁気圏と呼ばれる地球に最も近い宇宙空間は、世界的にも活発な研究が行われているにもかかわらず、そこで のエネルギー・物質輸送を記述するために適切な記述方法は何なのか、基本設計自体が固まっていない状況にあると言えます。